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気の向くままに更新し、好き勝手にイラストや小説を載せます。時々写真など掲載。 他にも文庫の感想や小言まで多彩なジャンルを載せる予定なのだ。 これが俺のポリシー。御宅の魂を思う存分見やがれってんだッ!
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番組が一つ終わった
休憩が入った

どうするか

今、ココでこの学校の人には悪いが、帰ってしまおうか

どうせ今日は俺だけだ
誰に合わせる事もない

知り合いもこの学校にいないし

どうするか

よし
決めた

俺は隣の椅子においてあった鞄を取った

帰ろう

階段を後ろへ向かい歩いてゆく
周りには見たことのある顔
渉外活動中なのだろう

挨拶をする仲ではない

普通に通り過ぎる

「あれ?」

不意に隣で声がした
声の方向に顔を向けると、そこには彼女がいた

大きな瞳をぱっちりと開けて、
偶然を楽しむかのように頬を染める

「来てたんだ。一人?」

俺は彼女の問いに頷く

「そう…あれ?鞄を持って…もう帰るの?」

彼女の言葉が詰まりつまり発せられた
少し寂しそうに長い睫毛で瞬きをする
頷く事ができなかった
今ココで頷いてしまうと、彼女は泣いてしまうかもしれない
俺はそんな気持ちがあふれ出しそうになった

「もう帰っちゃうの?」

彼女の上目使いに、とうとう俺は折れた
仕方がない
付き合ってやるか
空いていた彼女の隣の席に俺は腰掛けた
そんな俺の姿を見て彼女は言った

「ありがとう」

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今、一つの番組が終わった

隣に座る彼女が、褒め讃えるような拍手をしている

その姿が「儚げで、凛としている」そう思えた。

「なに?何かついてる??」

俺の視線を感じたのか、
気がついたら彼女は俺の目を覗き込んでいた

不思議そうに彷徨う瞳が可愛らしい

俺は、急に恥ずかしくなって視線を彼女から外して下に向けた

ふいに
彼女のモニターシートが目に止まった

見たい

「アッ」

そう思ったときには既に、彼女の机から紙を取り上げていた

「ちょっと、返してよ!」

必死に取り返そうと手を伸ばす彼女
そう簡単には返したくない

「読まないで。恥ずかしい!」

顔を真っ赤に染めて頬を膨らまし始めた
もうそろそろ返してやるか
機嫌を損ねられては困る

俺は彼女の頭の上にその紙をのせた

上目遣いで俺の事を見上げる

嫌われただろうか…

「もう」

彼女はそう一言言うと、表情を緩めた

「コレが終わったら見せてあげるから」

ベルが鳴った
次の番組がどうやら始まるようだ
彼女と話せる短い時間

「次の番組が始まるね」

万遍な笑顔を舞台に向ける彼女を脇で
溜息をつきつつも
この発表会が終わるまで離れたくはない…俺はそう思った。
太陽が日中、一番高く昇っている
目の前には国道がひかれ、スピードを上げた車がもう何台も通り過ぎた

遅い

何分待っているのだろうか
人通り少ない地下鉄の出入り口から、視線を腕時計に移す

12:30
早く行かないと席が取られてしまう

焦る気持ちでまた出入り口を見つめた

数秒後、
階段を元気に駆け上がるような音が地下から響いてくる

やっと来たか

顔が綻んだのが分かった

「ゴメン!待った!」

彼女だ
いつもより赤く染めた頬に切れ切れな息

走ってきたのか

そう思ったら急に胸が締め付けられるような気がした

「ホント、ゴメン!随分待たせちゃった?」

しょうがない

首を横に振った
随分と待ってたけど、今来た事にしよう

「よかった。じゃあ、行こうか」

彼女と並んで歩道を歩く
少し前までは桜で満開の通りだったのに今はもう青々としている
彼女とこんな風に肩を並べて歩いたのは何回目だろう
彼女が誘ってくれた文化祭
これから何が待っているのだろう

「部活の番組発表会のCMの流れです」
「ちなみにコレは、その1」
先日、
我が部活は新入生を対象とした「歓迎番組発表会」を終了した。

主に二年生(つまり俺の下の代ね)がメインとなり、
番組を盛り上げた

今、しかもココだから言ってしまうが、
練習の、かつ、初めのうちは「人様に先輩として見せられるようなモノ」ではなかった
うちらも無理難題を押し付けていたのかもしれない

でも本番。
なんとか堂々と見せられるような作品に仕上がっていたと思う

途中、俺も
流すビデオを間違えたり、
最後の大学名をかんだり、
流す曲を間違えたりと
散々な事をしていた訳だが、

どうにかなったのではないだろうか

今回の番発で2年生の2人が抜けてしまい、
また数少なくなった部員達。
少ないなら少ないナリに、部員全員でまとまりたいと思う。

しかも、
昨夜、メールが届いた
「私が私でいられる、安心できる、頼れる先輩でした」
「たくさんのご迷惑をおかけした事と、たくさんの有難うを先輩に伝えたいです」
とやめる子からキタ。
文章タドタドシク、
先輩にメールをする事で緊張してしまったのかもしれないが、
受け取って嬉しかった

特別な事を何もやってやれなかった

そう後悔する反面、

無事に送り出す事ができた

と、安心した気持ちが俺の中に渦巻いている
引退まであと6ヶ月きった

今、自分は何をすべきものだろう

そう考えて部活に取り組んでいきたい。
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プロフィール
HN:
舘岡助三郎
性別:
非公開
職業:
子供向けのなんか。
自己紹介:
精神年齢は10歳半。
正義のヒーローに憧れるまま、心はいまも幼少時代。

そんな俺が書き出した日記。
今後どう展開するのか気にならへん?
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